皆さんは「ピンクシャツデー」をご存知ですか? カナダから始まった「いじめ」に反対する運動です。日本ではまだ認知度は高くないようですが、少しずつ世界に広がりを見せています。日本ピンクシャツデー公式HPには次のような説明があります。「ピンクシャツデーとは、ピンク色のシャツを着たり、ピンク色のものを身につけたりすることで、『いじめ反対』の意思表示をする日です。現在では、カナダばかりでなく数十ヵ国もの国や地域に広まり、世界的キャンペーンとなっています。」(以下、同HPより)
きっかけは、今から13年程前のカナダで、ハイスクールに通う9年生(日本の中学3年生)の男子生徒がピンク色のポロシャツを着て登校したことで「いじめ」を受けたことでした。それを知った2人の上級生が、「いじめなんて、もう、うんざりだ!」「アクションを起こそう!」と考え、「明日、一緒に学校でピンク色のシャツを着よう」と、学校のBBS掲示板やメール等を通じてクラスメートたちに呼びかけたそうです。翌朝、ふたりの目に映ったのは、ピンクシャツを着た多くの生徒たちが次々と登校してくる光景です。ピンクのシャツを用意できなかった生徒たちも、ピンク色の小物を身につけて登校してきました。2人の意思が一夜のうちに全校に広まっていたのです。
数百人もの生徒たちがピンクシャツやピンク色のものを身につけ登校してきたことで、その日、学校中がピンク色に染まりました。ピンク色を身につけた生徒たちであふれる学校の様子を見て、いじめられた生徒も、肩の荷がおりたような安堵の表情を浮かべていたと言います。以来、その学校でいじめを聞くことはなくなったのだそうです。
地域のメディアでこの学生たちの行動が取り上げられたことをきっかけに、瞬く間にカナダ全土、さらに世界へと広がっていき、アメリカ、イギリス、ノルウェー、スイスからも彼らの元へ多数の賞賛や感謝を伝えるメールが届くようになりました。
この行動がきっかけとなり、現在、カナダを中心に、毎年2月最終水曜をピンクシャツデ―とし、いじめに反対する動きが世界に広がっているそうです。今年のピンクシャツデーは2月24日(水)です。表現の形は様々でも、いじめをなくしたいと願う気持ちは、世界共通のもののようです。